2020/07/9

昼も夜も関係ない、怖くなるくらいよく寝る。夢を見ないから、ただ目をつぶって暗いだけ。寝すぎると視力が落ちる。壊れたスキャナの件で水野さんとやりとり。電話を切った後で、ハッセル側の提案のあまりのひどさに愕然とする。せいじと怒りを共有。磯崎憲一郎「日本蒙昧前史」読む。なんておもしろいんだ。間違えて2冊買った。

2020/07/8

老後という時間をなめてはいけない。仕事がなくなり、連れ合いにも先立たれ、寂しさもありながら、ようやく誰にも制約されない自由な環境は、半ば望んでいたことでもあった。一人で生きていくことにはある程度の自信もあり充実とまではいかないまでも、地味に日々の時間をこなしていくことくらい訳がないと思っていたところが、最近特に、あまりにも時間が遅い、前に進んでいかない。それでいていつも気づけば夕方になっていて短い食事をすませれば、あとは寝ること以外することがない。そのうちにいろんなことが億劫になり、何もしていないのに疲れている。テレビの音はただ宙に消えていくばかりでも、消してしまうと静寂に耐えられない。あれだけ強い憤りを感じていた政権批判の気持ちは、いったいなんだったのだろうか。

2020/07/7

​飲みすぎた翌日は胃薬を飲んで、お粥食う。鳥の声ながす、今日のは別の選んだらウグイスがなよく鳴いた。午後、父親が部屋に訪ねてきた。少し声が弱く、表情が薄い。ふらつきがあるらしい、自律神経の問題とも。本を読みたくても眠くなってしまう、椅子が低すぎるのかもしれない。部屋も一人で住むには広すぎて持て余している。自らの生活のスケールに対して環境を調整することが建築家の仕事ではないのか。さっき兄に会ってきたという、調子はどうかときけば、よくないと返ってきた。

2020/07/6

都知事選の翌日、雨が朝から強い。また九州が大変なことになっている。新宿でせいじに木村さんと車でひろってもらう。恭司さんの展示みに山梨のギャラリートラックスへ。ひとりできている女性に声をかけて、いっしょに滝を見にいった。濁流の脇を歩いていく上柿さんの白い服が泥で汚れないかひやひやした。雨は降り続けて、たまにやんで低い雲が変化、山を抜ける頃にはまたよく降った。夜までずっと、音楽と写真の話。

2020/07/5

朝起きてNETFLIX「呪怨」、ふたまわりめ。80年代の後半から物語は始まる。郊外化、核家族化によって、仕事や世間、上の世代とも切り離されて孤立した住環境で事件は起こる。ひとつの一軒家がドラマの舞台になる。だからこれは都市と建築をめぐる物語だ。半開きのドア、ゆれるカーテン、壁に固定された鏡。まどから這入りこむ光。鳴り響く固定電話の呼び出し音で、ゆっくりと植物が目を覚ます。住宅の、不在の気配=霊、は夜よりも昼間により濃密になるかのようだ。学生の頃、郊外に生まれて育ったその周囲を撮影しながら、夜よりも昼間の方が怖いと感じていた。親は仕事やパートへ、子供は学校へ。郊外の住宅地は昼間に静まり返る。配送屋のトラックだけが過ぎる。住宅の窓が半分開いて、白いカーテンが揺れているのが見える。

 

2020/07/4

NETFLIXに三度戻って「呪怨」を観る。夕方になってどうしてもピザが食いたくなり、近くの店に行った。白ワインとマルゲリータを食べながら、なぜかわからないが思い出した。大学時代よく公園で同級生と草サッカーをした。自分は中学高校とサッカー部の経験者として、経験のない人と混じって参加した。中には高校で全国大会に出場した経歴を持つ人もたまに参加していた。彼は決して全力を出さなかった。プロのボクサーが素人を殴ってはいけないという風に、力を抑えて、決して主役にならぬように配慮、少ないタッチで他者にボールを譲っていた。中途半端な経験をもつ自分はいつも全力で素人に対した。汗をかいてボールを奪い、余裕なく最短でゴールを狙いにいった。ゴールを決めて気持ち良くなった。彼と自分は違う。今でもそんな性向が抜けていないのではないか。

2020/07/3

みちのくの写真プリント作業ずっと。でもコロナの状況次第ではまた延期するかもしれないと半分は思っている。千葉雅也が書いていた鳥の鳴き声の動画、を再生。バーチャルな鳥の声に、現実のカラスが応答する。猫が窓の外を横切る。夜は茂木さん親子と麻布十番の「グレイス」で参鶏湯食う。チャミスルが一本2000円。持続化給付金、もう入ってた。

2020/06/30

ゲンロンの飯沢耕太郎と大山顕の対談途中までみた。飯沢耕太郎にはあきれてしまった。いや、飯沢さん個人の問題ではないか。こんな素朴なおじさんが時代を牽引してしまうという、それが90年代以降の写真をとりまく状況だった、唖然。アザブで作業。スキャナ壊れた。長谷川さんにいろいろ質問して仕事の時間奪う。帰って「夏の娘たち~ひめごと~」みる。

2020/06/29

​みちのく展示用写真プリント、良い感じ。髪切りに行く。髪の色かえた。それから渋谷で映画「はちどり」みる。好きな映画かといえばそうではない、けど良かった。監督は同い年、誕生日は自分と一日違い。映画の設定は1994年、Jリーグ開幕の翌年、W杯アメリカ大会、バッジオがPKはずして、金日成が死んで、ソウル聖水大橋が崩落した。ユニの母親役は「息もできない」の主人公の姉役だった人、あと塾の先生はホン・サンス「それから」の不倫の女役だった人。塾には生徒が二人だけ。黒板に対面しないで、黒板に対して左向きに、二人が縦に並んでテーブルに座る。小さな部屋の親密な位置関係。映画館でたら光がきれいで歩く。いい写真撮れた。きれいなアカメガシワみつけた。

2020/06/28

午前中に事務作業乱れ打ち。定額給付金と持続化給付金を両方申請。こんなのでお金もらえるのでいいのか。通販でたくさん注文。雨がやんだ。シベリアは38度。北極域の永久凍土が溶けると、そこから古いものがたくさん出てきて、太古のウィルスも放出されているらしい。3万年前とか4万年前とか。午後も頭が事務作業モードが抜けない。残っていたジェノベーゼソースでパスタ。アスパラ。

 

2020/06/27

最近出た、ピチカートワンのライブアルバム「前夜」聴く。CDが欲しくて注文。耳慣れない小西さんの声。ピチカートファイブは当時は大人の音楽すぎてわからなかった。ソロ活動になってからはやたら追いかけて聴く。どこかが欠けていて。欠けていることで成立している音楽。音は空間を埋めない、寒々しい。雪が降って、部屋の中は暖かい。気密性の高い、ビジネスホテルの部屋。窓の外の景色。未完成な感じ。曲は不安定なコードで、切れるように終わる。写真みたいだなと思う。

2020/06/26

暑いなかチャリで久しぶりにアザブをいったりきたり、財布忘れて取り返ったり。Tシャツにしてもらう写真選びの打ち合わせ。エレベーターミュージック、もしくはチェーンのカフェの壁にかかっている風景に同化した絵画みたいな、匿名的でもの哀しい写真が選ばれた。できるのはまだだいぶ先。夕焼けがよく焼けている。帰りにひさしぶりにレモンサワーと五目海鮮焼きそばを食べに行く。店内は金曜日で人多い。みんな賑やかにしゃべっているが、ふいに自分はここにいる人たち誰とも話が合わないはずだ、という暗い確信におそわれる。店員が「右側から失礼します!」と大声で五目海鮮焼きそばを運んできた。右側と言わなくても声の向きでわかると思うがそれが丁寧な接客だと思ってるのだろうか。悲しい。

2020/06/26

​ミステリマガジンの荒俣宏の連載に自分が和歌浦を撮った写真が使われる、という時空の歪みが起きた。福澤諭吉の評伝小説で今回は和歌浦が舞台になるという。和歌浦は和歌山のすぐ南にある海辺の景勝地。海の上に小さな島が浮かぶ。そこに石橋が渡してある。島にはあしべ屋という元は旅館だった建物が今も保存されていて、そこには数々の文人が泊まった記録が残っている。鶴が飛んできて歌にも詠まれた。そこの文化事業に自分も撮影で数年関わってきた。荒俣さんだから、小説にはよく知った和歌浦の風景が「神の島」とか「異界」とかいった言葉で描写される。南方熊楠もここに研究で通った。荒俣さんも熊楠の足跡を追ってここに辿り着いたという。そんな時間の網目の中で一瞬、袖がふれたわけだった。

2020/06/25

久しぶりの人から連絡がいくつか。フリーの人で、コロナ期で自分を振り返っている。そんなに仕事ばかりしてもしょうがないと気づいたという。蒲原有明「夢は呼び交わす」読む。ひとりで静かな時間を過ごせば、おのずと複数の声が自分のなかからおこってきて、それらが呼び交わしはじめる。長いこと忘れていた声を、あるいは気づいていても、耳を貸さないようにしていた声、をきく。

2020/06/24

禁酒、静養の日々。7月の予定いくつか。仕事ないから楽しいことしかない。めんたいこ、お茶漬け、細い海苔。若い友人に贈るプレゼント悩む。

2020/06/23

​うまく食べれないので東北切り上げて帰ってきた。お粥つくってしのぐ日々。胃カメラでみてもらうも特にはっきりと炎症があるわけではない。麻酔最高。ふらふらして気持ちいい。すると今日はうどんが食えた。徐々によくなっているか。夕方西さん来た。西さんはイベント系のカメラマンだから見通しがたたない。第2波は想定しておいたほうがいい。その時は給付金は期待できないかもしれない。何か別のことを考える必要がある。自分もいっしょに考えてみる。しかし妙案は何も浮かばず。駐車場の料金を気にして、早めに帰っていった。

 

2020/06/19

​しばらく東北へ。腰の痛みはひいた。栗の花が満開。車の窓をあけて匂いを吸い込む。このいやらしい匂いが梅雨どきのむっとした空気にぴったりだといつも思う。展示の打ち合わせ。あっさり方針きまり。それから久しぶりに歩こうと名取を出発したはいいけど調子良くない。食べ物を噛んで飲み込む、飲み込むことはできて、その少し先で詰まる感じがする。水で流そうとすると余計に詰まって行き場をなくすから上に出てこようとする。少しだけ吐いて、待つしかない。だから集中してよくかんで慎重に飲み込まなくてはならない。そうするとパンひとつ食うのにだいたい15分くらいかかった。

 

2020/06/16

​撮影で静岡へ。晴れてるが富士山は霞の向こう。富士吉田の煙突は製紙工場。静岡人のソウルフードらしい"さわやか"のハンバーグ。焼津のとんでもない干物の撮影。焼いた干物もいただく。重い荷物のせいか、どうもおかしい、腰を痛めた。終わりまで痛くないふり。帰りは深夜のコピペした、CGみたいにトラックが列をなして過ぎる、東名ナイトクルージング。

 

2020/06/15

​わけあって井上陽水の、特に70年代の曲の歌詞にざざっと目を通す。曲も聴いてみる。はじめて出会う曲。ロイホで買ったホットケーキミックスでホットケーキ作る。ソーセージを焼いて、サラダも添えたワンプレート。雑事いろいろすませて、近所のサボテンの写真を撮る。暑いし電車でアザブへ。少し芝公園散歩。巨大なタブノキ見上げる。長谷川さんにいろいろ教えてもらって、この週末、東北を歩く計画。

2020/06/14

小雨の中、東京都写真美術館へ。ファッション写真の展示。内容のボリュームのなさに驚く。森山大道はみるのやめた。それより写真美術館の裏側、駅と反対側のエリアが前から好きで、いつも歩く。特に今日は雨に濡れて、人がいなくて、たまに車が通る。大きな茶色いマンション。赤い花びらがたくさん落ちたりしていた。

2020/06/12

強い雨で窓を閉め切り、昼に家でラーメン食べたら3時間も昼寝した。昨日夜におぼろげに思いついた、花の写真と自転車の写真を組んでphotoにアップ。夜はゲンロンの隈研吾の鼎談みる。所沢の角川武蔵野ミュージアム、今度行ってみよう。隈研吾は獣医をめざしていた、猫が好き。神楽坂の猫にGPSをつけてその足跡を追う。あと大倉山出身だそう。ついこないだ仕事でいったばかり。暑い日で、急な坂を登り、山の斜面から一面に広がる静かな住宅地を眺めた。どの家も主張はしない、優しすぎる色。

2020/06/11

暑くて裸。仕事の連絡増えてきた。コロナ期に普段よりはいろんな音楽聴いたせいで、iTunesのプレイリスト(Chill Mixしかきかない)の自動選曲脳が、成長、洗練されてきたらしく、いい曲多い。Oriorというのと、brooks and o'haganに反応してみた。後者はGhost Boxレーベル。いまGhost Boxにはポール・ウェラーがいるらしい。

2020/06/10

JMT2014の写真アップ。あらたに今年フィルムスキャンしたリミックス版。自分でも見たことなかった写真が掘り出された。スライドで30枚くらい。それから恭司さんワークショップの展示に参加したときの写真もアップ。自分でも謎のセレクトだけど意外によくできていて、もっと写真足そうと思ったけどやってみたら難しかった。

ジャック・ロンドンの評伝「馬に乗った水夫」読む。「北国の帝王」の、車掌のシャックがロープに杭をしばって車両の底面攻撃するやつ、本にでてきて興奮!大叔父の翻訳を読むのはじめて。

2020/06/9

Webを移転しました。まだ建設中ですが見切り発車、すこしずつアップデートしていきます。日記も続ける予定です。これまで無理にDream WeaverでつくってきたのをWixというWebサービスに移行。作るの簡単だし、更新のしやすさ、モバイル対応、いろんなアプリの実装などなど、だいぶ環境がよくなる。ほんとは経費も節約できると思ったけど、Wixの写真表示アプリが中途半端すぎてクソで後悔しかけて、それからいろいろ試してみると、結局有料のアプリを使わざるをえないことがわかり、そんなに節約にはならなかった。このコロナでSNSが雑音すぎて余計に苦手になり、Twitter以外は開くこともしなくなった。とはいえフリーで働くから微弱発信は必要、としたらWEB上で自分だけの、誰にも邪魔されない場所を確保して、後衛に退きながらも弾を撃ちつつ、どうしたらうまく引き籠れるか、ということを考える。

トップは韓国で撮った写真。白いバンみたいな車に小さく貼られていた。控えめな闘争の姿勢として。

 © 2020 Yuji Nakajima 

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