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2023/12/31


最後の一週間はずっと東京、毎日飲んだ。久しぶりの人にご挨拶。パームハウスでいちろうさん、麦と再会。団地の年寄りがどんどん死んでいなくなるのだという。飲み過ぎたいちろうさんは翌朝敷地内の公園で朝日を浴びながらチューハイを飲んで少しずつアルコールを抜いていく。水天宮に出勤する麦と電車に乗った。午後は恭司さんとお茶、目白から早稲田に歩いて、穴八幡で「一陽来福」のお守り買う。三人で横並び、タイミングをあわせて柏手を打った。翌日はハルカと東京歩き。ハチ公まえで待ち合わせ、道玄坂を歩き、円山町、渋谷ヒカリエの脇にある銀だこでハイボール。表参道のヴィトンに入って香水を買うか迷う。青山墓地の光、六本木でワイン。まだ葉が散っていないイチョウの樹。夜中の0時になってイルミネーションが消えた。

2023/12/27


朝マックをドライブスルーして掃除してると兄が来て実家の本棚を運んだりいろいろ片付け作業。兄と本棚運ぶ。兄は躁鬱が今でも薬は欠かさないが、だいぶ安定してきたので、免許も再取得したし、コーラ飲むのもやめた。やる気が表に、控えめながら現れてきた。母も昔は鬱の時があり、父は鬱の母は素直でききわけが良かったと、気に入らない冗談を言っていた。
薬局寄って帰る。年末は東京を久々に歩くので、実家に眠ってた中沢新一「アースダイバー」引っ張り出す。言ってもアーティストの若い友達はこの本を知らなかった。セブンで買ってきたワイン飲みながらこうして日記を書いてる。実家マンション(4階)のベランダ排水の溝に雑草が生えてきて、友達がそれはアフリカ原産のカランコエだと教えてくれた。そいつにバケツから雑巾の絞り汁を供給。

 

 

2023/12/26


東京にきてる。PCを忘れたので携帯で書いている。柳美里は携帯で小説を書くそうだ。東京のカメラマンの仲間と新宿の魚民で忘年会。みんな歳をとったので禿げたりアル中になったり借金したりいろいろあるが、希望に満ちた気持ちのいい会だったと思う。翌日は中林さんと新宿でタクシー乗ったり映画「ファースト・カウ」みたりパスタ食ったりしてのんびりデート。年末はしばらくこっちにいるので、久しぶりに会いたい人にメール送る。東京はやっぱり夜がいい。

 

 

2023/12/23

 

念願でこの日のために生きてきた韓国料理とK-popを語り合う会。りょうちゃんとネモトで買い出しをして準備するもK-popの話をしはじめると全然手が止まって料理がつくれない。肉はベーコンでごま油をそこまで使いすぎないあっさりとしたキンパを山田さんが巻いてくれる。牛だしの素をいれた春菊のナムル、ハルカが金属の箸を大久保で買って来てくれる。チゲ鍋にタラ。海鮮チヂミのタレに粗びきとうがらしたっぷり入れる。自作のキムチ、ちゃんと漬かってた、まだ浅漬けなのでこれからに期待が持てる結果。延々K-popの話以外しない、話の中心にJYPの存在感。こないだ終わったばかりの日プ女子、自分はオーディション番組をみていないのでそこがわからない。時代をさかのぼってイ・パクサのポンチャックまで。オレンジ・キャラメルはじめて知った。終わりたくなくてチャリで家着いたの4時、ニワトリの声。

 

 

2023/12/19

 

もうこちらで何かできることはないので、とにかくうまく育ってくれと、祈りながらキムチのタッパーを眺める。大きい雲が冷たい白。ゴミ捨て、洗濯、デリカ掃除。ラジオからバカラックのアルフィー。歯医者いってグミではがれた銀歯接着。青木淳「原っぱと遊園地」読み。基本姿勢の再確認。ここに書かれていることが、今の自分の活動をみんなつなげて大きく方向づけてくれている。夜は盛岡からきたライターの佐藤さんとkashiwayaへ。スヌープ・ドッグの三つ編みについて。

 

 

2023/12/18

 

今日はとうとう用事が何もない日でこの日のためにキムチを漬ける準備をしてきた。台所をそうじ、きれいしてお香をたく。棚や調理器具、タッパーの整理、amazonから足りない調味料が届いたので、はくさいをまるごとひとつ、ヤンニョムにつける前に塩づけにしてはくさいをクタクタにさせる、これに7時間かかる。白菜の葉っぱをめくって一枚一枚の間に丁寧に塩を塗っていく。水がたくさんでてくるので少しずつ捨てる。モスクワのシンセいじる。青木淳「原っぱと遊園地」よんであーだこーだ。背景に漬け物が進行する時間は静かにいきいきしてくる。夜までかかってヤンニョムをぬりこんでタッパーにつめてなんとか終了。あとは祈るしかない。

アマプラでリドリー・スコット「テルマ&ルイーズ」鑑賞。初見で完全になめてた、とんでもない映画。彼女たちは最後まで主体的に行動することはなくて、それに気づいているのはハーヴェイ・カイテルだけで、本人たちも最後笑顔で自由を選び取ったような顔をして、さわやかに崖に突っ込んでいくのが、「軍隊」のように銃をかまえる警察に包囲されてそうなっただけで、はやまるな、と追いかけるハーヴェイ・カイテルの後ろ姿が。

2023/12/17

 

森くんが家に飲みに来て、つくってくれたスパゲッティミートソースがとてもおいしい。翌朝森くんはゆっくり起きてきて、風呂に入って帰った。ふたばみらいで映画観賞会。どんどん日が過ぎて、一年のまとめに入ることもしない。キムチをつける準備、調味料をamazonで注文。週明けは台所をきれいに掃除して、音楽もかけずに白い光の中で他には何もすることなく、じっくりキムチを漬けるのだ。ひそかに注文していたモスクワ産のシンセが届いている。

 

2023/12/13

 

​連日の取材撮影で富岡。こないだ遠藤さんがいってた町ごとの対抗意識を感じるという話がきになっている。まず、その土俵からどうやって下りるかを考える。東海自然歩道調査票の清書をようやくしあげて送信、写真編集あーだこーだ。カレー作る。野菜を煮込みながら、久しぶりに大友さんジャズラジオはコルトレーンの「至上の愛」特集。韓国料理のレシピ本など注文。夜中までアンソニー・ドーア「すべてのみえない光」読書。できるだけ部屋を暗くする。外の流れ星もみにいかない。

2023/12/12

 

植物に水をやる。寒さに弱いのでここ数日は外にだしていたが中にいれる。東海自然歩道の調査をエクセルにまとめる作業がうまく進まない。本を読んだりするので気が散る、DVDでポール・シュレーダーとスコセッシ、タクシードライバーコンビの「救命士」鑑賞。街の底辺がきらびやかで最高。午後には学生がたくさん訪ねてきて話をした。今日も鍋、野菜をたくさん食べる。本棚に積んだままのアンソニー・ドーア「すべての見えない光」ふいに手にとって読んでみる。第二次大戦下のパリとドイツ。数日前には不思議な縁あって撮影した写真が使われていることがあり荒俣宏「福翁夢中伝」上下巻が送られてきていた。福沢諭吉の評伝。イスラエルやウクライナのことを眺めていても思う「近代」を理解する必要。

2023/12/7

封筒に分けた札束をザックにつめて出発。いわきの不動産屋で土地売買契約を滞りなく。ついに井出川沿いの土地を購入。渡邊さんに感謝。さて、ここで何をしようか。特に自分は作りたいものがあるわけじゃないので。買い物、写真編集、料理。余ってたほうれん草のごまあえ、大根いれたカレイの煮つけ、さつまいもとごぼうの味噌汁。日本酒飲みながら持田季未子「美的判断力考」読む。

2023/12/6

銀行にお金をおろしにいって札束をうけとり、ザックにしまって帰ってくる。灯油をたっぷり買ってあるから、ストーブをつけて家でたまった写真仕事を編集、送信。コインランドリーで乾燥を待つ時間、車にもどって本を読む。ゆうくんに誕生日にもらった本の中の一冊、スタージョン「夢見る宝石」を読了。スタージョンの人間臭さやまなざしの優しさをフルに堪能。勝手に大きなメッセージを受信して部屋の温度あげる。これはスタージョン初の長編小説だそうで1950年。それが新訳として2023年の10月にでたばかりで、ゆうくんのおかげで手にすることができ、こうした時間のめぐりあわせに立ち会うことができた幸せ。

 

 

2023/12/4

ななみちゃんの「家開き」。ハルカとゆうくんと音響演奏、最後までその場との折り合いがうまくつかめず、チューニングがずっと狂ったまま最後まで行ってしまったというか、どうすればよかったか、気持ちがわだかまったけどまわりのみんなに助けられた。通りがかったロシア人が敷地のはしっこの草叢でしばらくギターを弾いた。彼は廃墟が好きなんだと言った。ロシアには廃墟が多くて、ロシア人はよりよい生活を望むことを諦めてしまった、といった。よねちゃんの車に機材を積んでハルカとよねちゃんとゆうくんの屋外本屋にいって強風がすごくて寒くてしかたがないがこれまでもったことのない大きな鉈を井関くんに借りて大きな丸太に何度も叩き込んだ。風がピークに達して寒さが限界で追い詰められたか、いきなりみんなの前で風に向かって全力で叫んだ。続けて三回叫んだ。叫んでる間目を見開くから眼に強風をうけて玉の涙が数滴落ちた。みんながそれをみて笑った。

2023/11/28

とにかく週末演奏の準備。することがあるから、めずらしく遅くまで起きている。

こないだゆうくんから買った詩集。オ・セヨンは韓国近代の代表的詩人だそう。

「君は常に幸せであってはならない。」

過酷な近代を生きてきた韓国にあって、このことばが。​

 

2023/11/27

冬がきたら必ずきく、Pizzicate One「わたくしの二十世紀」。とても悲しい音楽。結露した窓の内側で暖房をきかせて、能面で、冬は悲しくないとだめだとか思いながらきく

「小さな電球がふいに切れた そんなふうに恋は消えた」

そんなふうに電球が切れることも今はもうないのか。

 

 

2023/11/20

五日間の東京出張。会いたい人はたくさんいるが、用事と仕事のない時間はなるべく人に会わないようにして文芸誌「ことばと」の短編小説をなにも考えずに読むことにする。毎日夜は実家で過ごした。両親のいなくなった実家はまだ家具や荷物がそのまま残っているのが、兄と話して今年度中には全て整理して実家を手放すことになる。暖房をつけて父が使っていたベッドで寝る。朝にシャワーをあびて、バスタオルを洗濯。今日はオフの日なので買い物をしようと新宿へ。靴を試着したり、服や本屋もながめたが何も買わないでモジュラーシンセのパッチコードだけは島村楽器で買う。映画もみない、スタバで仕事をして、本を読む。久しぶりの都心の孤独。夜の光。電車の中でもずっと読んだ。ひとりでいて、何かの練習。そしてこの場合、うまくは言えないが、読むのは小説でないといけない。小説を読むという時間の流れを思い出す訓練。内容は二の次のような気がした。読めるのならそれで良かった。

 

2023/11/10

出稼ぎ徒歩労働終わってひと月ぶりに楢葉に帰ってきた。不在のひと月はゴキブリが自由に這いずり回っただろうか。風呂に入って買い物、洗濯、コインランドリーで乾燥。徒歩労働の片づけどころか、石材店イベントの片づけすら済んでいなくて呆然。楢葉に帰りたくてあんなに残りの日数を指折り数えながら歩いていたのに、終わると寂しくなる。普段厳しい部活の顧問がここぞという時に優しい言葉をかけて生徒をてごめにする詐欺のやりくちに近い。「なんだかんだ色々大変だったけど総じてよかった」という漠然とした感慨がやってきて、旅を強引にひとつの印象にまとめようとしてくるのに抵抗しているが、しかし、帰りの電車に乗って窓の外を眺めていると、その引力に飲み込まれようとしているのを感じる。わたしはたしかに終わることを望んでいたのだが。とはいえ楢葉のみんな、みほちゃん、PCT帰りの遠藤さんまでサプライズできてくれたり、班長には苦労をかけて引っ張ってもらい、至れり尽くせりの贅沢を味わったのは確かであって感謝しきり。ありがとうございました。お疲れ様でした。東京のユニオンで買ってきたライクーダーのレコードききながら、いろんな気持ちでいっぱいになる。

2023/10/22

東海自然歩道まず9日間の​前半を終えて東京一時避難。班長と2人で胃腸炎になり発熱をして何も喋れないので黙々と前に向かって進んだ。ひどい時には2人とも東屋のベンチに座ったまま、動けず、座っているのすらつらくて横になった。長谷川さんはわたしが早く寝過ぎてしまうで1人でベンチに座って何もできないまま時間が経つのを待った。よく予定していた行程をこなしたと思う。

疲れてはいたが新宿で「エドワードヤンの恋愛時代」観て外に出るとハルカがいて客の誰もいないベトナム料理屋に入った。家族でやっているのか、仕入れた大量のパンの袋の横で小さい子供が携帯から可愛い音楽を流していて、それを背景になごやかな時間を過ごした。大久保から西新宿へ夜通しでよく歩いた。インバウンドで歌舞伎町は外国人だらけで、祭りみたいに華やいで楽しそうでわたしたちもそこに紛れて今と関係ないものみんな忘れた。

2023/10/8

取り壊しの決まっている旧石材工場でのイベント、イベントというには憚られる、不定形でぶよぶよした催しが終わった。準備を進めているうちにみんなから勝手にアイデアが湧き出してきて、興奮状態に、確変モードというか、とにかく日常とは違う時空間に入り込んでずっとその穴の中で過ごした。約1週間はほとんど奇跡、もうおそらく二度とこんなことは訪れないというくらい特別な経験だろう、片付けまで終わってひと息ついてる今でも後遺症が残る。NHK FMバカラック三昧8時間の特集を聞きながらの雨、そして今日から東海自然歩道の調査に出発、一カ月の出稼ぎ。なので楢葉に帰ってくる頃にはすでに工場は取り壊されて無い。

 

 

2023/10/2

カフェイベントawaiでつばちゃんにスタージョン短編集を渡し、わたしは本屋の武内くんから長田弘の「深呼吸の必要」を受け取る。りょうちゃんや鈴木みなみさんにも会えてKpopの話、みなと別れて、午後はムラスポでボード買うとスクールが何度でもタダで受けれるというすごいサービスを利用してシーズン終盤にお願いしたら一人キャンセルがでたことでムラスポでボードは買ってはいないがウェットは買った森くんを誘って二人だけの贅沢なスクールになった、連れられたのは勿来火発の景観がすばらしいあの坂をおりたところにある海岸だった。まだ25歳の志賀勇平さんの指導、基本を学んでから沖にでて足を押してもらってうねりから波に乗ると、何度も安定して立てるようになってきて最高に気分がいい、森くんは波に乗って崩壊するも顔をあげると雄たけびを上げた。波待ちしていると夕暮れがせまってきて濃紺の空に火発が光った。記念写真をぱしゃり。この週末で気温が下がった。思い出深い夏のおわり。

2023/9/13

長谷川さんがうちにきた。いっしょに仕事、濱口さんから頂いたビール飲む。調べていたらなんと、調査にいく東海自然歩道のすぐそばに養老天命反転地があることが判明。こないだセゾンで荒川修作展をみてきたばかりで伯父といきたいなあと話していたすぐのこと。養老でゼロデイをとってゆっくり味わうことにする。岐阜出身の小島信夫を本棚から引っ張り出し、にわかに岐阜ブームがやってくるのだった。長谷川さんが風呂からでてくるのを待てず寝てしまう。

 

 

2023/9/12

朝からサーフィン、環境省の松田さんはさっそくウェアとボードを注文したらしい、亜紀さんもきた、うさみもきた。割と大きい波の真下に入り込んでしまい、ボードが真っ二つに折れた。折れたのは残念だが情けなくておもしろかった。土曜日にムラスポいくことにする。午後は堺くんのところで仕事。auショップでソファーに座って順番を待つ。エアコンの風の音をきく。「歩く」はなにもしないに近い、という意味で好きだが、「待つ」はもっといい。あちらからやってこないかぎり、物事が動きようのないその無力さ。ベケットは「待つ」だけで戯曲を書いたからすごい。打席に立ちはする。よく観察して、球から最後まで目を離さないように、動揺をみせることなく静かに球を見送る、キャッチャーミットの乾いたいい音がして、次の球を待つその充実。わたしと時間がぴったりと寄り添って進んでいくのを感じるよろこび。

 

 

2023/9/11

伯父と車で​軽井沢、現地で兄と落ち合い、墓参り。ふたりともきれいになった小屋を気に入ったよう、伯父は次世代に更新されていく様を頼もしく思ってくれた。信濃追分3.0の幕開け。釜で新米をたいてカレーつくる。牛肉にしたのがよかった。3人でセゾン美術館「荒川修作とマドリン・ギンズ」展。人少なすぎ、ここまで人を寄せ付けないストイックな展示に大感激。これらの作品購入には磯崎新の推薦があったとか。もはやすぐ隣に位置する星野リゾートの人の群がりとは一切入り混じる気配がないパラレルワールドの達成。いやしかし誤配で入り込んでしまったようなカップルはいた。兄も伯父もげっそりして悪夢から逃げ出すように美術館の外に脱出。大相撲中継、ソファーに座って大江健三郎「万延元年のフットボール」読み。まだ何を読んでいるのかわからない、広い茂みをさまよって進む。窓の外がゆっくり明るくなってきた。

 

 

2023/9/7

たくさん洗濯。涼しくなった。いろいろありiphone買い替え。同時に契約もみなおし、UQにかえるべくauショップ予約、事務作業、連絡事項あれこれ。野菜とベーコン焼いて、パンではさんで食う。たまご、たまねぎ、トマト、小高で買ったおばけみたいな太いナスは焼くとトロトロになる。堺くんにもらったマスタードソースとマヨネーズをまぜてかける。感覚を取り戻すべくアナログシンセ音出し。ひさしぶりは新鮮。午後はほーむバイト。子供の送迎。ひろととプラモつくる。車の中で、ぼっちの素晴らしさを子供に語る。ひとりでいないとできないことは沢山ある。しかしひとは一人では生きていけない。

 

2023/9/6

朝サーフィン。波悪いのか誰もいない海。波がまったくみえてないので待つポジションもめちゃくちゃ。やりなおし。その後凄まじい豪雨。いわきで髪切り。美容師さんは四倉でサーフィンやる人。中之作で豊田さんご挨拶。ふたたび豪雨。撮影で泊まったビジネスホテル下北荘で支払してなかったことに気づいて(それなのになんの連絡もない)、訪れると、入り口のカギもフロントも全開でしかしスタッフ誰もいない。声を出しても反応なし。食堂のやわらかい光の中、椅子の背もたれにタオルが並んで干してある。波の音がする。静かにあとにする。

2023/9/3

FCTのPRムービー撮影、カメラマン泉山さん、美帆ちゃん、トレイルクラブから柳田さん、4日間アテンド、常に不安定な細い道をなんとか無事に走り切る。いろんなめぐりあわせがことごとくはまって、こんなところで運を使い果たしたか、と思うくらい奇跡の撮れ高。二度とないと思った方がいい、と逆に不安になるほどで。しかし9月に入ってもこの高温は異常異常というのもここまできたか。帰って放心。たまったyoutube動画を消費。阿保になる。

 

 

2023/8/28

昨日のサーフィン行く前のセブンで携帯忘れてとりにいったら、フロントのパネルがバキバキに割れていて、カメラが真っ暗でつかなくなった。すぐ修理やにもっていくも、カメラは部品がない。外傷がないのでOSの問題かとアップデートや復元試してみるも戻らず、行き場のない憤り。スマホのない世界にいきたい。たばこもやめたい、ほんとうなら酒もやめたい。仕事もしないで、ほそぼそと海辺で暮らしたい。午前は希望の土地を地主の渡邊さんにご案内いただく。いい感じのかたでご縁が大変ありがたい。建築家と相談。とうとう大江健三郎読むのか、と本棚へ。

2023/8/27

 

午前、朝少し考えてサーフィンいくことにする。日曜日、波は上がっていないが人が多い。ボディボーダーの集団も。湘南ナンバーが目立つ。足のスタンスかえたら多少安定してきたけど、沖の波に乗ると全然立てない。なんどもやる。テイクオフはとにかく陸上での練習、陸トレが重要とのことで、部屋で、畳の端のラインをボードの中心にみたてて、ラインにそって確実に足をつく練習。午後は四倉の藤城さんのリフォームDIYのお手伝い。わいわいやる。kashiwayaにドラムリール返却。詩を書いている武内さんとつばちゃんと話盛り上がる。帰ってソーメンチャンプルー作る。考えることいろいろ。

 

 

2023/8/25

 

朝のサーフィン。波小さいのでサーファー少ない。よく晴れている。太陽は海の方からでてきてこちらの眼を刺してくる。堺くんはコンタクト忘れて波が見えないので波から遅れる。ウサミは勢いのある波を逃した。波弱いので簡単に沖にでれる。波をつかむ練習。板を押さえる感じわかるかも。パラソルの下で水を飲む。終わってトレイル挨拶まわり。撮影のお願い。小高まで。
サマソニに押し寄せたという“NewJeansおじさん”の記事みて興味深いし、状況はよくわかる気がする。世代間の格差と差別。基本的に若い世代は自己改革しようとしない上の層の姿勢に苛立っている。NewJeansは自分の音楽遍歴に寄り添って安心して聴けるK-popであり、価値観をあわせて接客してくれるお店の女の子みたいな存在で、そこに自己改革はなく、そのぬるい姿勢に従来からのK-popファンは我慢ならないという波風か。やむなし。おじさんを優しく見守ってほしいと思いつつ、若者にそんな悠長な時間はない。

2023/8/22

 

朝早くでて映像撮影ロケハン&挨拶回り。勿来から北上。いわき漁協うろうろ。ぎこちない自己紹介。携帯の通知がなりつづけ、灼熱の景色に中原昌也の音楽。軽井沢で仲間が建設業。布団の中にねずみの死骸がいたらしい。晴れているが雨が突然ふってきてまた日が射してくる。明日、処理水放出でネットが俄かにさわがしい。車の中で考えながら、わたしには意見がない。意見の候補をいくつか頭にうかべながら、感情を乗せる場所がみつからない。

2023/8/23

 

昨日、一昨日と朝早起きしてサーフィンをした。新たにはじめる友達もいっしょだ。朝の海の光。これ以上のことはない。サーフィンのことで頭はいっぱいで夏が終わろうとしているが、海水温度はしばらく高いので10月いっぱいまで、いまのウェアでサーフィンはできるそうだが、10月10日あたりから長期で出張なのでこのシーズンはそこで終わりになるだろう。冬のウェアは高いうえに福島の海は冷えるのでブーツや手袋も必要だし、そこまでして冬に海に入るのは大げさすぎないか、わからない。寒いのは苦手だ。それなら台湾の海にでもいって、入ってみたい。だから今の時期何よりも優先して海に入りたい、思いが迫る。ディランの自伝のオー・マーシーの章、方向を見失って以後、音楽に戻っていくディランの心の動き、その必然的な流れ、をサーフィンの波の説得力みたいにして。浦沢直樹がディランについて語っていた、ディランについていけば間違いがないという確信。ディランは演劇について「永遠の現在」とも書いていた。よく意味はわからない。ランボーのあれか。暗号となって、海を眺めてみる。

2023/8/20

震災があって、町は復興を目指すのではなく新しく道を作ってすすむべく、この先百年続くようにと願う、町民が主体となってつくる「ならは百年祭」。準備をすすめてきてとうとう終わり。実行委員として役にたたないポンコツだが、酒飲んで踊り続けた。祭りのあと、地べたに座ってみなで丸くなり、残った缶ビール、たばこをもらった。チャリで帰ってきた。翌朝も片付け、岩沢のサーフィン大会をのぞいて、午後はハルカとうさみがきてサンプラーなど音を出しながら機材の説明、ふたりは床でコンビニのグラタンを食べた。堺くんもきた。堺くんはポカリを忘れた。堺くんからもらった野菜でみそ炒め。久しぶりにMOOGいじる。音楽は簡単。

 

2023/8/13

​世の中はお盆休み、ようやく家にいる。サーフィンは台風の影響で自粛。半裸で窓をあけると涼しい風が吹いてくる。洗濯、掃除、ファイル買って来て書類整理、請求書書き。サンプラーいじる。録音した素材を編集して読み込ませる。水滴、蝉、夜の虫、カエル、母のピアノ、階段を踏む音などなど。ミキサーにPCをつないでサンプラーと音をあわせたり。中古で買った安いウーファー設置、音のバランスがよければヴォリュームを抑えてもしっかりとどく。じゃがいも煮る。「ボブディラン自伝」。冒頭のジャック・デンプシーの店にいってボクサーに間違えられるところだけ読んだだけで家宝に決定。

2023/8/10

​名取に打ち合わせいったり小学校の夏祭り手伝ったり、連日ほーむで子供たち見守りバイトなどなど余裕のない時間。やりたいことが進まない。まったくもって自由な原野や海に子供たちを解放したらどんなに彼らは喜ぶだろう、しかしこちらは管理する立場であって、彼らは隙あらばその境界線を突破したいと狙っているのを感じてもどかしい。アイス食いすぎるので冷蔵庫前でブロック。海をみにいくと台風で波が上がっていてサーファー多い。こちらは初心者なので自粛。台風が過ぎるまで待つ。夜はディランを染み込ませる活動。

 

 

2023/8/9

K-pop好きな若い子と話して印象的だったこと。「NewJeansはこれまでのK-popを破壊するくらいインパクトがあるので、ながらくKpopファンをしている自分からすると、好きになれない、しかし曲がいい、ずっと聴いていられる、だから好きにならないように頑張っている」。
それと「お父さんはKpopをくと、日本の音楽はだめだと言いたがるが、それは言いたくない」。

確かに訳知り顔で言いたがる風が吹いている、そのような気持ちは自分にもあって言葉を飲み込んだこともある、、。いや、実際に口にした。しこういう抽象的な言説はたいがい本人がどの位置にたつ人間の発する言葉なのか自覚できていない。

 

2023/8/4

朝サーフィン、終末は人が多いので平日のうちに海に入っておく。ソフトボートのおかげでだいぶ波に乗れるようになってきたので久しぶりに立つ練習。帰ってコーヒーいれて洗濯。理想的な朝。ならはCANVASで仕事して午後はほーむバイト。終わって夜は小高に車飛ばして常磐演劇芸術祭3本め「マスク」鑑賞。容赦ない青春五月党。震災当時高校生として体験した3人が本人の名前で舞台に立つ。それに加えて現役のふたば未来学園の演劇部員がやはり被災する高校生を演じる。現役高校生は震災当時はまだ幼いくらいの年齢だった、その両者が同じ高校生として同じ被災者として舞台上で混ざり合う。本人であり、演技でもあるその境界の揺らぎがなまなましい。最後のセリフは現役の高校生だった。柳美里のサイン本に書いてあった言葉を思い出す「時間は過ぎない 事は終わらない」。

 

 

2023/8/3

午前に写真をなんとか編集してならはCANVASでFCT映像のスケジュール作り、午後は連日の子供神輿づくり、夜は常磐演劇芸術祭の私的には2回目古川日出夫と後藤正文の「Voice on Voice」を富岡駅で。古川日出夫の文章は消えてなくなる音楽みたいにいつも速度を感じる風を切るように速い。それは「私」とか「彼」とか「少女」とかの主語があって、速度を上げることによって、語りてが人称を抜け出そうともがく、もがいたうえでどうしても残る。残るものがみえてくる、逃れられない境界線は何か、逃れられない「福島」とは何か。

2023/8/2

​やっとサーフィン。千葉からきたサーファーとおしゃべり。言葉にならない毎回最高。そのままkashiwayaでかおりさんとゆっくり打ち合わせ。NewJeansの話など。「ETA」のiphoneのCM、ハニとダニエルの躍動はMVP。午後は百年祭のこども神輿づくり。終わって帰宅、メールいろいろ。写真編集。残ったカレー。とにかくディランを繰り返し染み込ませること。

 

 

2023/8/1

​山梨からの帰り、常磐演劇芸術祭がはじまって勿来市民会館で「銀河鉄道の夜」。これまで食わず嫌いか、小説すら読んだことなく、感動。「二十億光年の孤独」の想像力はここからきているのか。運転しすぎ。やっと帰った。12時間寝る。

2023/7/31

小高で野馬追を映像撮影。小高神社の木陰のしっとりした光に馬の眼がぬっと反射する穏やかさに見とれる、子供たちの声、馬糞が太陽の日を浴びて匂いを放つ。楢葉に戻ってハルカと堺くんと工場跡で木材を汗だくになって運んだ。これだけのことがなんて楽しいのだろう。風呂に入って花火をみにいくと花火とともに音楽が大音量でかかる演出を前にして笑顔でごまかしつつも、こういう価値観の世界とは共存できないという決定的な気持ちに。翌朝竜田駅ではじまったこじんまりとしたマルシェでちりとりを買ったり森くんのコーヒー飲んだりみなと平和に過ごしてから東京。山梨で撮影仕事など。車移動続くのでゲンロンで浦沢直樹がボブディランを語る7時間の番組ききながら堪能。東京の夜の暑さが尋常じゃない。小津の「東京物語」にあった金魚のヒレのごとく優雅にゆれるうちわの動き、、はとっくに消滅したわけだが。もう東京には住めない。

 

2023/7/26

飯館に二日間撮影にいったりしていたことももう遠くのように感じるのは昨日からまるくんがきてサーフィン合宿、前夜はアサリのキーマカレーをつくってくれてそれをビリヤニでよくみるバスマティライスで食う、最高。森くんと飲みながらまるくんのサーフィン解説きく。翌朝は岩沢でまるくんコーチと弱波だが風のないおだやかな沖でプカプカ波待ちしながらおしゃべり。沖から波のるのはじめて、ボードに乗る位置がだんだんわかってきた。無理に立とうとせずしっかりポジションがとれるようにボードを体になじませる練習。帰って外の水場でウェットスーツを洗って干す、けだるい体でコーヒーをいれてまるくんとおしゃべりはじめるそれがまだ午前10時。

2023/7/21

一週間の難民生活。なにがなんでもおれはここで寝るといって床で寝る中林さんとせいじ、自分はソファーで眠ろうとすると大きな虫がバタバタと羽を鳴らしてギターにあたって弦の響く音がした、その瞬間自分のほうに飛んできてシュラフにとまった。手で払おうとすると硬くて驚く。張り付いて動かないよくみたらでかいクワガタだった。なんとかひっぺがして窓の外に逃がすと、窓に光が点滅していて「え」と思うとたった一匹のホタルだとわかった。軽井沢ではじめてみた。こうやって光るのか、なめらかに光がついたり消えたりしながら動きも激しくなくて、滑るように飛んでゆっくりむこうに消えていった。闇。

2023/7/13

​ノンアル効いて4時起き。外の蝉の音を録音、サーフィンいく。朝早くに車で火力発電所に近づく風景。徐々に雲間から太陽がでてきた。人少なくて絶好の練習機会。そこまでボロボロにならず、わりと長い時間海の中にいられるようになってきた。この海の、波の理不尽なわけのわからない複雑さのマッサージ。こんな朝早くに外国人の集団が海でバチャバチャ声をあげてはしゃいでいる。ウクライナ人だった。写真撮ってくれといわれ「なんで誰もいないのか?」ときかれて、朝早いし、なおかつ日本人はあまり海で遊ばないと答えた。答えて寂しい気持ちになった。波の音を録音。

2023/7/12

毎朝のはじまりがもうダメ。エイドリアン・シャーウッドの来日公演をしらずにチケットが売り切れてて呆然。「フィールド・レコーディング入門」再読。フュージョンの伊関さんと四ツ倉のサーフショップに集合。いい匂いがする店内に元気でやさしいご主人。伊関さんオーダーのウェットスーツすごい。こちらはいわきローカルブランドのTシャツを買う。これを着ていれば周囲からローカルだという認識をしてもらえて良いということらしい。ひさしぶりにならはCANVASで仕事。事務仕事いっきにやるが、追いつかなくてあきらめる。夕暮れにポップグループ「Y in Dub」ききながら庭の草取り、NxWorries他。余ったひき肉でハンバーガー。

 

 

2023/7/9

朝、森くんとサーフィン。人が多いので自分はやらずに森くんの練習を撮影。とうとう夏の本番がきてしまった、愕然とする。わたしはいつまでも夏にしがみついて生きていたい。その後森くん、はるか、米ちゃんと石材店工場で集合、フィールドレコーディング作業。マイクを工場の中央に設置して、横の家に退散。録音の時間に平行して部屋でおしゃべり。蝉の音が底に流れるうえに鳥の声、12時のチャイムの音が重なった。昼のてんぷら。

 

2023/7/8

東京へ、常磐道は大型トラックが黒煙を上げたことによる通行止め、電車は人身事故の確認のためホームに人が集まり、男性サラリーマン同士がいい争いをしていて、周りの人々は誰ひとりそのことに関心を示さない。ひどい蒸し暑さ。足りていなかったパッチコードを楽器屋で購入。髪切りに行って色を変えたいけどどうしていいかわからないから、好きなようにしてくださいとお願いして、シャンプーから鏡の前に戻ったら、前髪が青くなっていて笑った。夏が好きだといったからだ。隣の男性客は明らかにネトウヨでネットでよく目にする陰謀論を美容師さんにまくし立てていた。兄と合流して相続の相談をいろいろ。つな八でてんぷら。「おれも髪の色変えようかなあ」と兄がぼそっといった。

2023/7/2

用事をなにもいれない日、写真編集、すこしプリント。洗濯、掃除、アナログシンセ。車をエニカに登録。

「わたしの時間を一日一日まとまりのよい、そうしようと思えばできる、できるはずだ、できないのはあなたの努力が足りない、といわれるもののすべてをわたしはいんちきだと考えています。」
山下澄人「おれにきくの?」より

2023/7/1

もう7月なのか。寝違えた首、まだ痛い。整形外科検討。午前中、アナログシンセ。これまでだしたことのない音がでてきた。アナログシンセは電源をいれて、いじりはじめるや即実験、自分のつまみをまわす手が、その手の付けねにつながる胴体がアナログシンセの一部となって音がでてくる。自分は音楽の作り手であるより聴きてである割合が大きくなり、聴くことによって音に応える、するとフィードバックがまわりはじめて、考えなくなる。境界線はぼやけてきて、わたしはわたしであることをさぼる。CODOU一周年の会に顔をだして、大雨のなか名義変更がすんだ車をとりにいく。スーパーでミルのペッパーやベトナムのホットチリソース買ってきてスヌープ・ドッグの料理本からオレンジジュースソースのチキン作る。グレイトフルデッド研究。

 

2023/6/30

寝違えた首はまだまだ痛く、布団から起き上がるのがつらいが、森くんと待ち合わせて岩沢でサーフィン。ソフトボード導入でようやく練習らしくなってきた。波は暴れておらず落ち着いていて練習しやすい。ボードの上に浮かんで横になりしばらく岸壁を遠くながめる。森くんがボードつかってるときは泳いでまわりをうろちょろした。さっとあがって午後はほーむバイト。こどもと向き合うのは鏡のように自分がみえてくるので怖いことだ。帰ってゴーヤとシーチキンのサラダ、えび、ほうれん草、ズッキーニのカレー。ココナッツミルクいれる。

 

 

2023/6/29

寝違えた痛みがとれない。早朝に鳥の鳴き声と夜はカエルの声を録音。volca drumだいぶ遊び方わかったきた。ずっといじる。午前FCT打ち合わせ。午後はほーむバイト。ひろとと久しぶりのおしゃべり。ドラムシンセ興味あるらしい。夜は百年祭こども神輿打ち合わせ。どうもうまく波に乗れず帰宅。いつまでたっても打ち合わせの席について、席につくだけでどう振る舞えばよいかわからず役にたたない。あくびがでてしまうが、なんとか相槌をうってるだけ。

 

 

2023/6/27

はじめてジモティー利用。道の駅かわまたで待ち合わせて初心者用のサーフィン、ソフトボードをゲット。とてもいい人で気持ちの良い取引。道の駅で野菜たくさん買って帰ってくる。にら玉うどん作って食う。ディキンソン詩集読んだり庭の雑草抜いたり。森くんの冷蔵庫搬入手伝いして、夜はほーむのメンバーで飲み会。ひと月働いたこんちゃんを激励。古市さんやつばちゃんいっしょで、落ち着いて安心してお酒飲む。

 

 

2023/6/26

朝会った森くんはいろいろな意味で限界の状況。目がおかしな開き方をしている。森くんはいつでも森くん性を十全に発揮している、彼はそれに苦しんでもいるが同時に自由だ。会うとこちらは希望をもらえるのでありがたい。天井を掃除。ドアを破壊して業務用の冷蔵庫と製氷機をみなでキッチンまで運び込む。その後百年祭の準備で小学校、子供たちとカステラづくり。子供にかこまれたキッチンは制御不能、もぐらたたき状態でわけわからないまま終わり。自分はどこに向かって歩いているのか。体調悪いところに湿気の暑さ。帰って風呂わかす。扇風機。浅漬けとゴーヤーチャンプルー。

 

 

2023/6/24

Snoop Dogの去年のDeath LowレコーズからでたアルバムのMV各曲が夏を目前にしてたてつづけに公開。同じシーンが何度も繰り返されたり、リバースしたり、誰もいない深夜のボーリング場のブラウン管でダラダラとリピートされてるような気の抜けた軽薄さのムード。こういうノスタルジーならありだと思えるのはなぜか。力が抜けてて、いつでも出入り自由な遊園地のチケットをゲットした感なSnoop Dog。洗濯、出張荷物整理。まるくんから教わったキーマカレーまた作る、今回はココナッツミルクいれてみる。ゴーヤとシーチキンのサラダ。

2023/6/23

信越トレイル取材から帰宅。強行スケジュール、レモンパンとカロリーメイトのみでしのぎながら、たくみくんとトニーと3人で社会から孤絶した時間すごした、この時間だけは絶対に忘れない。帰ってデータと荷物整理。いろんな予定をキャンセル。料理もできずコンビニ。アナログシンセ。アマプラでグレイトフルデッドの番組眺める。曲のはじまりもおわりもない、なんでもつめこめる形式をまず設定して、それができてしまえば、あとはその上で自由に踊ればいい。曲はいつまでも終わらない、やめたいと思ったらやめて、また気が乗ったらはじめよう。こういう場所づくりを、自分は死ぬまでかけてやっていくのだ。

 

2023/6/16

​久しぶりに空いた時間で図書館、群像で保坂和志読んで、これでいいのだ、という背中の押され方、ストイックなのに感覚はほぐされて開かれてくる。吹奏楽部の指揮をする先生が教室に来る前の練習の時間に各楽器がそれぞれ勝手に音を出していてバラバラでありながら塊になって押し寄せてくるあの情景。自分はその音を横目に、廊下を歩き過ぎるだけだったのだが。

 

 

2023/6/13

​夜キンパもって秋風舎にて飲み会。調子乗って飲みすぎて翌日二日酔い、水をしっかり飲んでいたはずがおかしい、なにか邪気を背負ったように布団から起き上がれず、むりに起き上がるのはやめたが、気温が上がってあつく、汗をかくまではいかないが掛布団の熱がまとわりついてくるのを寝返りをうってはらう。酒やめたい

 

 

2023/6/11

Daft PunkのRundom Access Memories 10th Aniversary盤。これは古い音楽なのでLPできくのがふさわしい。「一度も実現しなかった過去」(マーク・フィッシャー)が屍となって人々の意識のなかにたっぷりと積みあがっている、そこにアクセスする音楽。だからこれは少しも未来を信じていない姿勢、切なくて悲しいが、それに酔ってもいる。それがあの解散ムービーのやけっぱちな爆発につながっていく。

上半身すさまじい筋肉痛、ストレッチ。写真編集。充実したたまねぎの群れからひとつ取り出してかきあげうどん作る。夜はキンパ準備、ヤンニョムチキン。

2023/6/10

朝アナログシンセいじり、これまででいちばんてごたえあるパッチできたので記録。

​四倉へ出発。いわきの松本さんのおかげでとうとうサーフィンデビュー。この地域でせっかく暮らしているのだから海に入る口実が欲しいという気持ち。奇声をあげて海に突入。投げ飛ばされたり30分でボコボコになった。しだいに集中きれてめちゃくちゃ。海のことは体が身をもってうけとめて言葉のようなものになるのか、身体にまかせたのでこちらは何も考えない。車にもどって水で体あらって松本さんとおしゃべり。もうぜんぜん寒くない。帰りは疲れ切った腕でハンドルにぎるとシートから安らぎと充実感がこみあげてくる。これがしたかった。

2023/6/8

​サーファーのまるくんが大阪の友達とサーフトリップでやってきてキーマカレーつくってくれる。うまい。アナログシンセデモを披露。調子でてきた。翌朝5時出発のふたりを見送って、こちらは軽井沢に出発。ハルゼミの鳴き声。小型デジタルアンプ設置、洗濯機カバー。遅くまで酒飲んで中林さんとせいじは床で寝てる。サンドイッチ食って山小屋補修工事。解体したテラス再建とゆがんだ窓枠の調整。さすが中林さん。小川さんと駐車場整備打ち合わせ。コバヤシくんも手伝ってくれてゴミを持って帰ってもらう。夕方5時終了。楢葉に帰る。片道4時間半。

 

 

2023/6/1

ストレッチ。シェルパバイトなど。毎日キャベツ食う。ブライアン・ウィルソンの日。部屋を暗くしてLPでペットサウンズを最後まで。

2023/5/31

洗濯、デリカ、タイヤ、エンジンオイル交換、クローゼット、冬物整理して除湿剤をぶちこむ。軽井沢に必要なものを注文。粗大ごみ出しに南部衛生センター。すぐ近くだし、電子レンジと灯油ファンヒーターをいつでもタダで引き取ってくれて驚く。セブンでまいこさんと立ち話。ならはCANVASでkuramoto出張上映アレクサンダー・ロックウェル監督「Sweet Thing」鑑賞。藤城さんと久しぶり映画みたあとおしゃべり。終始、先日の「ケイコ 目を澄ませて」の一方で、なぜフィルムで荒れた粒子全開でこのように撮ったのか腑に落ちない、鹿の登場シーンがNewJeans「Ditto」にあまりに似ているのでそこが印象に。

2023/5/30

XGのドキュメンタリー、サイモンのDominateが最低と思いつつ自分が逃げ続けてきた世界がつまりKpopなのだと、見ていて苦しいが我慢して最後まで。アナログシンセと写真スキャン、編集。プリセット調整いろいろ。昼から森くんと小名浜のムラスポへ。車で話していると森くんの生態系が少しずつあらわになってきて驚く。若い店員さんにガイドしてもらってムラスポオリジナルの3ミリのウェットスーツ、最初なので安いものを購入。自分はMで森くんはXL。もう後戻りできなくなった。松本さんに報告。ショボいバイパスで帰路。ヤマボウシ。帰ってふたたび写真編集してたら突然現像の道がみえてきてそれもアマプラで「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」をみている合間というから電気が走るような感じがして、半信半疑、たばこ吸う。

2023/5/28

うまく起きられない日曜。古市さんの勧誘?でならは百年祭の実行委員に応募してしまう。正直祭りは苦手だがどうなってしまうだろう。

夕方にアマプラで映画「ケイコ 目を澄ませて」みる。なぜフィルムで撮られたのか、時代設定はここ数年(役者がマスクをしているシーンがよくでる)なので余計に明確な意図があるだろう。それは主人公が都市だからではないかと思う。そして都市があり確固とした世界があってその中に埋め込まれるように生きている人々がいる。世界をさしおいて人が先ではないのだ。ケイコの顔のアップ、その澄んだ目は世界を見て、世界を反射させて、世界を内面化する。最後のスタッフロールでは荒川沿いの北千住駅など都市の風景カットが連続で映し出される。この風景はフィルムでしか映らないという姿勢。青山真治にとっての北九州だし、ホウ・シャオシェンにとっての台北だ。そういえば三宅昌監督、ネットフリックス版「呪怨」では住宅が主人公だった。

 

 

2023/5/27

​洗濯2回。ひろとに会いに広野へ。帰ってから、すこしづつでもやり残していたことに着手、本棚から小島信夫の「奴隷の寓話」を手に取って、夕方に1時間読んだだけでもう即効性がすごいのでどうにかなってしまう。信号が変わるのにもきづけないように思考がわきだしてきて、買い物にいっても考え事をしてしまうせいで、何を探しているのかを忘れてしまい店内をぐるぐると歩き回った。そのくせ現実がいきいきしてくるように思えるのだから、たいへんなしろものだ。このように文学は決して遠いところにあるものではないのに、何かのせいで遠くにさせられている。高尚ですらなく、むしろ卑俗なものだということ、あなたは知らぬふりをしているだけで無関係ではないこと。同様に、ハイキングもハンモックも写真も音楽も特定の趣味のある人に限った特別なものではすこしもなく。。

2023/5/26

​朝、集合して木戸川渓谷へ、ハンモック体験会。ウサミに「久しぶり」といわれた。確かに久しぶりだった。かおりさんは窓越しに今コーヒーをいれるので待ってくれといった、その感じは久しぶりという感覚を吹き消した。森くんは夜中に東京を行き来したまま一睡もしないであらわれた。樹林帯にてハンモックの威力が爆発して奇跡の朝遊び。その足元にギンリョウソウが生えているのをウサミがみつけた。帰って掃除、本の整理。パスタゆでる。グールドのフランス組曲かけて、なにもしないことにする。テレビ、相撲。

2023/5/24

臼井さんのお誘いで秋田の三郷町へ。文化創造館の岩根さん、ライターの佐藤さんといっしょに、アーティストのわいないさんの「やぶ前」宿泊、いろいろお世話になる。デザイナーの渋谷さんは葛尾に通ってるというし、佐藤さんはこれから取材でみちのく潮風トレイルを歩くそうだ。各所で水が湧いてくる、水の町、じょじょに明るくなる朝の神社。小学生が集団登校。地産の日本酒買う。5月の後半にきて謎の花粉。帰って翌朝、XGのニューヨークのライブ映像、号泣。こんな日本人はじめてみた。友人の建築家、アーキディヴィジョンの二人が来楢。井出リバーの土地視察。鳥がなく声。海から吹く風の動きをさぐる。役場へいって建設課の佐藤さんにいろいろ質問。この土地がうまくいけば半分以上は成功したようなもの。夜の宴会、途中から森くんが登場、相変わらず自由。翌朝、ハンモックしてからまざらっせ見学などなど。めひかり下処理して冷凍。

 

 

2023/5/19

父の納骨をかわきりに怒涛の放浪生活。軽井沢山小屋の改修工事はいいすべりだし。新宿で父を偲ぶ会、相馬でFCTキックオフミーティング等、各所でよく酒飲んで話した。兄から鈴木さんの新刊を受け取った「無限は夢幻か」。この思索は森敦の「意味と変容」がきっかけになったという。「意味と変容」はかつて謎に愛読していた本、ちゃんと読まねば。帰ってきてたまったメールを送信。片付け、掃除、洗濯、しかし明日から秋田。めいっこがNewJeansにはまったらしい。

 

 

2023/5/9

アメリカの西海岸を縦断するPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)。半年をかけて歩くから仕事もやめてしまって、出発まで一週間になった遠藤さんを訪ねて伊達市へ。これまでの経緯や準備した道具などみせてもらいながらあーだこーだ。焼きたての有名な羽餃子と、ビールに続けてワインを開けると翌朝、ハルちゃんがゲロを吐いているが、なんとか後部座席で横になりながら出発。浄土平を散策、帰りは3人とも飲みすぎて疲れはて、帰って昼寝。今年は雪が多いらしい、ハイシエラは雪か、雪解け水が多いと渡渉も厳しくなる。どうか、無理せず思い切り楽しんできてほしい。それまでに楢葉の家を準備しておかねば。

2023/5/6

今日も堺くんといっしょ。朝から山に入ってはじめてハンモック張ってみるテスト。場所さがし井出川沿いでいいとこみつけて張ってみる。こないだのTrail daysで買ってきたTichet to the Moonのハンモックとニノから借りてきた超軽量、EnoのSub Sixの2種類。ハンモックに身をあずけると風呂に入ったときの顔になる。
ハンモックを張るだけで混とんとした樹林帯に場所ができる、空間が生まれる。居心地がある。単に椅子置くだけではこうはならない、いってみれば最小単位の建築で、柱は既存の樹木に頼るというスマートさ。そして揺れのリズムが時間をつくる、これも上手く「待つ」ための道具ではないか、やってみないとわからん、驚いた。

 

2023/5/5

朝からキンパ巻き。連日建築講習。とにかく釘を打ちまくる

 

2023/5/4

起きた、身体がガチガチでストレッチ。朝からモジュラーシンセいじり、そうしているあいだに時間がなくなってあわてて外へ。広野の松本さんの建築実作講習。基礎づくりの復習や壁のパネルづくり、竹の装飾などなど、休憩でお茶をのみ、横に目をやれば山の中で春のいい時間。買い物して帰って、毎日身体動かして疲れてたけどビール二本飲んでから各種のナムルづくりで、ビビンバ。モジュラーシンセ。

​「勉強というのが外的なものを観察するという意味ならば、そんな狭い意味の勉強に従事する必要は少しもありません。むしろ、いわば自分自身を作り直すためにこそ知は獲得しなければならない」ベルクソン

 

2023/5/3

​最近始めたシェルパさんで福祉のバイト、この日は朝から子供の見守り、天神岬の公園、子供の関心は30秒で切り替わるので背中を追いかける。子供たちはカルピスウォーターを飲む。昼はバーベキューや畑に水をあげて、水風船や、風が強くて皿が飛ぶ。子供が画用紙に絵具を塗りたくるのを見て、これがやりたくてモジュラーシンセなのだと確信。Aさんのこないだメモリ増設したパソコンの調子を伺いに団地のお宅に訪問。なんとか動画がみれるレベル。バーベキュー食いすぎたせいで、帰って爆睡。

 

 

2023/5/1

長谷川さんとみちのく歩き5日間、宮古へ向かう車でラジオ、音楽を始めた12歳の少年からアドバイスを請われディランが答える「シンプルにやりなさい、派手なことはしなくていい」。田老から歩きはじめるとすぐに海、新緑、自然の複雑さのシャワー。スナックいったり、けつが濡れたり珍道中、いろんな話した。最後は気温があがって短パンコーラ。盛岡に長谷川さんを送り届けて冷麺、その流れで撮影旅。盛岡から日本海にでて撮影しながら西進。酒田まで。フィルム5本くらい。いいかげんに読み終わらない「世界は時間でできている」。写真について考えてきたことがこの本一冊にいっぱいつまっている。エモさとは何か?

 

2023/4/22

​時間があればモジュラーシンセを触っている。まだよくわからないけど、少しずつ勉強。簡単に楽しい。音がぐりぐりかわっていくのに自分があとからついていく感じ、生成されていく音のお世話をする感じ。自我が介入する部分が少ないのは楽器を演奏するのとはだいぶ違う。グールドが他人のピアノ演奏をききにいくと演奏者の気持ちが手に取るようにわかってしまうのが嫌で行かなくなったといっていたから、楽器とはそういうものだ。母もそれを恥ずかしがった、だからバッハを弾いたと思う。バッハは身をあずけられるのだと思う。昨日は礼子さんの旧家の庭掃除をみんなで。マムシグサがたくさん。イトトンボがきたらしい。落ち葉を集めてゴミ袋につめていくだけでみんなで興奮した。ナポリタンにハンバーグのったやつをどうしても我慢できずにみんなで食べる。来週からのみちのく歩きの準備とモジュラーシンセ。

 

2023/4/16

いやと、しばし考え直してみて、へそくりをみんな引っ張り出してMOOGのセミモジュラーシンセのセットを注文。東京で一日、雨の日ディランのライブ。バラカンラジオのディランのブートレグ特集がライブに向けたいい気持ちの準備になった。ディランによるジェリー・ガルシア追悼文が、ディランのその後の行き先をよく指し示している。「ガルシアの音楽は泥水のようなカントリーの精神の核心、それが宇宙にまで広がっていくような、そのスピリットが具現化したような存在」「彼の演奏は気まぐれで凄みがあって催眠効果があってニュアンスに富んでいる」などなど。翌朝寝坊、新幹線で仙台、名取トレイルセンターでトレイルデイズというハイキングのイベントへ。芝生に寝転ぶ。ニノからハンモック借りる。仲間が仕事を辞めて西へ東へにぎやか。夜に福島戻って森くんと米ちゃんと家で酒飲む。米ちゃんは文学部卒。本棚の背表紙を楽しそうに眼で追いかけている。なぜか中原昌也の本を持って帰った。森くんが米ちゃんをセブンを経由して歩いて送って帰ったら、もう3時40分だったそう、お疲れ様でした。翌朝モジュラーシンセ届いて組み立てるだけで動かす時間はなし。東京へ。

2023/4/12

 

いまだに楽器というものが音楽の障壁になっていて、多くの人が「もしもピアノが弾けたなら」状態のまま音楽を遠ざける。ギターは弾けるように見える。しかし既存の曲をカバーして歌うばかりで、音楽というのはもっと可変的なものなのに音が生まれだすブヨブヨした場面に立ち会えていない。そこで楽器観の更新が必要と思い、アナログシンセとかどうなんだろう、ということでぼやんとネット眺める。夕方CANVASいったらたまちゃんがいて、さらに奥には入江くんと、空ちゃんと未来ちゃんという二十歳の新たな移住してきた二人がいてパン食べながらおしゃべり。

 

 

2023/4/10

 

森くんがうちにはじめてきて飲んだ。僕は彼が好きで、こんなに好きだと人に伝えることがこれまでそんなになかった。部屋を暗くしていい音楽をかけた。うちに泊まった森くんは酒飲んだ翌朝の起きたばかりなのにコンビニの脂っこいうどんをズルズルと完食して去っていった。この躍動感には毎度感心してしまう。

 

森くんが帰ってから、しばらく横になっている。
写真はだれでも撮れるようになった。しかもそれなりにいいクオリティのものを誰もが撮れるようになった。写真だけじゃなくて。音楽も映像も。民主化されて、参入障壁が下がった。誰もが表現者になれる。ほんとはもうすでに誰もが表現者なのに、わたしは表現者ではないと多くのひとが思っている。ふいにだれかの袖をつかんで、​こちらがわに引きずり込みたいと、​静かに機会をうかがっている。

2023/4/9

大熊町の坂下ダムウォーキング​参加、終わって松田さん、森本さんと合流。エミリーさんの素敵な畑を見学。すぐに友達になれた。それからながらく念願であった、秀篤さんのお宅で亜紀さんはじめ大熊のみなさんとの打ち上げに参加、あたたかく迎えていただいて感激。さらに別会場では木野さんのご家族がいらしててこちらにも顔をだして楽しいおしゃべり。木野さんの妹さんと出身高校が同じという驚くべき展開。大熊泊まりで翌朝ゴミ出しして帰宅。すこし休んで午後からkashiwayaで畑。土から石を取り除く作業をのんびり。ずっとこうしていられたらいいのに。

 

 

2023/4/6

最適化が自分には合っていない。「こだわり」もやめてほしい。無駄を省くとか、そういう思想もむずかしい。一見自由にみせかけて規範の強化になる。窓をあけてその場から逃げたくなる。硬いのはだめ。心の芯をなくてし、柔らかく受け流す。​ウナギイヌのイメージ。穴だらけのいい加減な生活、理由が説明できない行動。​よだれをたらして前言撤回。考えがコロコロ変わる。

2023/4/5

すぐ返信しないメールを溜めてしまうのをまとめて返信する時間。読んでいない本ばかりの本棚からペドロ・コスタの本がでてきて、帯に「歩く、見る、待つ」と大きく書いてあって妙に感心。歩くと見るはわかるとして、最後の仕上げが「待つ」であること。意外に東京よりも地方に来てからのほうがその難しさを感じている。地方はじつはとても騒がしい場所で、それに対してどれくらい扉を閉じるのかで、けっこうその人の個性があらわれたりする。サーフィンをはじめれば、海から陸地を見返しながら、ぼんやりと波を「待つ」時間ができる。

夜は古市さんと約束してkashiwayaで食事。福祉のバイトをはじめる。

2023/4/4

塩塚さんが、ならはみらい退職につきうちで送別会。一年で去ってしまう、これはなかなか深刻なことだと思って、すこし時間が経てば、いなかったことになるのではないか?と考えると暗い気持ちに。翌朝、うちに泊まってた​堺くんがミサワさんに電話。山に咲くカタクリはもう終わりかけというので急遽、男ふたりで車を駆って向かうことに。山は春が大爆発。新緑が全方位から吹き出している。ミサワさん夫妻のご案内で沢にそった山の斜面をぐるっと​歩いて山野草めぐり。樹々のあいだに落ちるひざしをあびる、春にかこまれている。

ヒトリシズカ、キクザキイチゲ、ニリンソウ、カタクリ、ゼンマイ、エンレイソウ、シュンラン、イワウチワ、アカヤシオ

2023/4/2

午前中の近所のイルミネーションの片づけ手伝いに出て、kashiwayaで雑談、部屋に帰って昼寝したら起き上がれず、午後は予定をすべてキャンセルして床に伏す。ようやく起き上がるとギター弾いて、夜はアスパラとごぼうと余った菜の花とむきえびでかき揚げ丼。

2023/4/1

父のことを中心に各地いったりきたりの巡業生活、休みなく続いても気持ちが張っているせいか疲れを直に感じないきがしてそれがよけいによくないきがする。野菜を食べる。みなが絶賛していたので表参道のヴィトンでのティルマンス。展示をでるとケヤキの新芽があざやか。新宿でとおりがかりに久しぶりに詩集を買ってみた「踊る自由」というタイトル。なにか足りてなかった栄養分をおぎなうような気持ちに。ベルクは人でいっぱいで、ビヤホールへ。

 

 

2023/3/27

東京から田中先生夫妻と臼井さんがきてくれた、その日から急に気温が下がり、天気は下り坂をどこまでもいく。中之作の豊田さん、大家さんのみつさん、粒々の西山さん、カフェYの渡辺さん、みなさん温かく迎えてくださってありがとうございます。3日めはようやく晴れて、春の霞んだ陽ざし、新緑の色が6号線の脇を彩りはじめた、みつさんがくれためんたいこのせんべい、カカオ76パーのチョコ、一日歩いて、ゴールは夜ノ森の桜、早い満開。夜ノ森の住宅も取り壊されて数が減った。自動化されて留まることのない、無気力に執行される消去のシステム。

 

 

2023/3/24

朝、目が覚めるといろいろな鳥が鳴いている。外を歩くと花が咲いている、まず枝垂桜が満開で、マンサク、モモ、ソメイヨシノも咲き始めている。たまっていたものが解放されたという感じで、自分も同じく、準備してきて、流れができている。背中をすこし押すだけで、あとは勝手に、坂道を気持ちよく下るのだ。kashiwayaのHPいよいよ公開。大山さんの野菜を今日も買いに行く。明日からお客さんがくるのでマカロンをたくさん買う。相撲みるの忘れた。

 

 

2023/3/23

秋田から戻ってすぐ川崎の実家へ。雨の朝、マックの駐車場は公園に面していて、境界の通りに沿って桜が満開。父の葬式、とどこおりなく。

2023/3/21

もうすでに雪のない、秋田出張。撮影を続けてきた臼井さんの作品集、いい感じの仕上がりで安心。これでひとくぎりになる、お世話になった文化創造館のスタッフのみなさんにあたたかく見送られながら、残念ながらとんぼ返り。無音で夜の高速、考え事。

2023/3/18

先日は雨なので畑作業できず、とれた大豆で豆腐作り。みなで台所をかこむと手持ち無沙汰になる。そういう時に平気で何もしない能力が必要になる。暗くなってにがりを求めてみなで車に乗り込み砂利道を進んだ。

翌日は家にいる。親戚に電話。「夢で逢えたら」の大瀧詠一バージョン、ギター弾く。自然と速くなるのに気づいたら、速度をおさえてほとんど力を抜くようにする、するとリズムがとれてきてまわりが見渡せるような気がして、小さい音で声を張らなくてもちゃんと歌えるようになる。

プリント作業少し。スピルバーグの「戦火の馬」を途中まで。人間ではなく馬を主人公にすることで戦争の両陣営を一本の映画で描くことができる、これで思い出したのが、つげの「峠の犬」。とつぜんいなくなった愛犬が、全く違う家で別の名で呼ばれなにくわぬ生活をしているという話。この漫画は鶴見俊介の本で知った。鶴見俊介は戦時中にアメリカと日本を行き来した人で、だからこの犬に反応する。居場所はなく不安定なままで社会の外側にたつ、そこからしかみえない景色がある。

夜はきんぴらとカレー。

2023/3/17

夜中に花粉症状ひどくて起きる。ティッシュの山、どうしようもなく立ち上がりティッシュを床にたたきつけてトイレにいく。コーヒーいれてギター。部屋片づけ。花粉の薬買いに行って、家でしらす丼。午後は近所の大山さんの直売野菜買いに。椅子をだしてもらって近所のお客さんとコーヒーのみながらお話、自己紹介。FCTのポスターをはらせてもらった。帰ってあたらしく西側倉庫にカーテンの設置。掃除して料理。ごぼうとフキのてんぷら。

2023/3/16

駅のコンビニで病院泊まりの食料など買い込んで福島からようやく着いたのは22時過ぎで、兄が先にきている、父の息はとても小さい、おにぎりを食べてる間にさっそく息のリズムが崩れてきて耳元で声をかける。間もなく息は先伸ばしになって動かなくなった。着いてから20分たらず。長くなると思っていたらあっという間だった。斎場に運ばれる父を見送ったら、タクシーで兄と実家へ。翌日は葬式の打ち合わせや親戚に連絡。思い出しても父とは言い争ったり、喧嘩した思い出ばかりででもやりとりはしぶとくやめなかった。これ以上ないくらい徹底した反面教師としての学びがあった。父は子供たちを理解しようとしたが、とうてい理解できないものを理解できると思っているところが父の苦しみだった。実家にもう一泊して福島に帰ってくる。うさみが摘んでくれたフキとミモザをくれた、ミモザを棚に飾ってフキ味噌つくる。それといわしのつみれで味噌汁。ギター弾く。

2023/3/7

 

花粉量の多さは10年に一度、去年の12倍というニュース。普段の薬ではたちうちできず、部屋中に唾液と鼻水が散乱。兄から電話、荷物を急いでまとめて家をでていわき駅についたところで再度電話があり、一度引き返すことになった。特急券を払い戻し、帰って確定申告作業を強引にまとめあげる。

 

 

2023/3/5

​高速バスの時間、わけあって平倉圭「かたちは思考する」読み、マティスの「夢」についておおいに触発されてメモ。伯父とハチ公前で落ち合ってインドカレー、父の見舞い。父は睡眠薬で朦朧としている。移動、渋谷、強風。後藤くんち近くでせいじ交えて飲む、せいじがかっこいいコートをくれてうれしい。後藤くんちでK-POPなどいろいろ。翌日はせいじが最近人から譲ってもらった軽のスポーツカーに乗って恵比寿、深瀬昌久レトロスペクティブ展。もちろんすばらしいが、もうこれまでとは違った。人は誰しも時代の犠牲者であるという思いに。福島に帰り朝のバラカンラジオはデヴィッドクロスビー追悼、天才だらけ。はるかが企画してくれたデイキャンプイベント参加。大きなボールにたくさんの米をゆっくりまわして研いだ手のひらの感触。焚き火とカレー。翌日は鴨長明の終の住処である「方丈の庵」を実際につくる講習に参加。自力建築への第一歩。楢葉の仲間と、切実なので必死に食らいついて学ぶ。そのあと畑の片付け作業まで。帰って豚汁とJ-hope「on the street」。

 

 

 

 

2023/3/1

 

3月になった。今日も気温が上がる。庭の福寿草。スキャンした写真をプリント一気に進める。ジョン・ミューアの文章読んでみたら、すぐ神とかなんとかいいだして大げさで困るのはソローもそうだった。というのもアメリカでは自然は神と接触するための媒介であり、この自然こそがヨーロッパにはないアメリカ独自の宗教観と結びついているらしい。自然と合一することで啓発され、自己は肯定される。それがアメリカのプロテスタント的反知性主義や大騒ぎの政治運動と結びついているという。そういう​自然にたいするロマンティシズムときちんと距離をとること。「自然は地獄だ」というヘルツォークの信頼できるところはこの距離感であり、多くの人がヘルツォークにつまずく分かれめになっている。

 

2023/2/28

 

各方位へ確認のメール、請求書送信。あたたかくなって、進む時間をかみしめるようにすごす部屋の時間。いろんな人からメールがきてやりとり。兄と電話、父はかなり悪い。午後はJMTスキャン作業、3回目の全フィルムローラー作戦、みずからこしらえたフィルムの森にわけいっていく。現像は第二の撮影、迷いながら杣道をもとめて夜まで。

 

 

2023/2/27

 

昼間、制作中のFCTマップブックの校正作業。夕方に終えてCANVASへ移動、鴨長明「方丈記」読み。平安から鎌倉期にかけて飢餓や竜巻や火事や地震とこれでもかとさんざんな世にこういうものが書かれたし、訳した蜂飼耳の序文によると堀田善衛が「方丈記日記」を書いたのは戦争の最中に長明のそれに重ねた、とある。そして今は、ということである。夜はkashiwayaにて美大に合格した高校生ふたりとお祝いの会。ひとりは秋田、ひとりは新潟の美大。時間を忘れてしゃべってしまい、お母さんが車でお迎えにきたので、駐車場で挨拶をかわして、ふたりはそれぞれ引き取られていった。

 

2023/2/24

 

久しぶりの歴史講座参加。バスに乗りながら話していると震災当時のことがぽろっとこぼれてくる、退職金で建てたばかりの家だった、余震が続く中、家が壊れはしないかと気が気じゃなく、揺れる地面に向けて「やめろ!」と叫んだ。大切なのはあらかじめ用意された言葉ではないこと。図書館に本を返却、贈り物の発送、保険証再発行、診療所に花粉症の薬をもらいにいく。大山さんの野菜買っておしゃべり。よくない電話。仕事できずに夜になった。どんこ鍋とバカラック。千夜一夜物語のちくま文庫フルセット買うか悩む。

 

 

2023/2/19

毎週末東京。実家の鍵を忘れて近くのラブホテルにひとりで宿泊。週末なので高かった。広いガラス張りの風呂でシャワー。渋谷から広尾までライカもって歩く。入院中の父は個室を出るとコロナのこともあり面会ができなくなる。ある程度の覚悟で会いに行くが、コーヒー飲みながらいつもの雑談。広尾の高台からの眺め。父は繰り返し磯崎新を目の敵のようにいう。悲しい恨み節だ。建築という言葉の意味はとっくの前から拡張されているが、父はまっとうでモダンで常識的な建築観で生きてきて、確固たる自分の定規を手放せなかった。目盛りで測れないものはなんでも切り捨てた。東京にいくと当然すべて外食になるが、下痢をする。帰りの夜のバスは満員。休憩をはさむと前半後半でそれぞれ一時間半。前半はマークフィッシャー読み。後半はバラカンラジオのバカラック特集を堪能。ポップソングだからどれもすでに知っているような親しみのある耳さわりなのに、聴いてるとどれも奇妙に複雑、つかみどころがわからないメロディーとリズムの中に迷子になって前後不覚のここちよさ。

 

 

 

2023/2/16

寒い日がつづく。雨戸をあける。ギターずっと弾く。いまさらながら、もっとうまくなりたい。ディランの来日先行申し込み完了。確定申告作業。​父から連絡、容態にまた変化があった。兄と連絡とりあう。夜は以前、ずっと中東で仕事をしてきた塩塚さんによるトルコ・シリア大地震、の解説をきく会。自分はずっと前から今にいたるまで、遠くで起こっているできごとを、うまく自分の近くに引き寄せて想ったり考えたりすることができない。

 

2023/2/15

 

​寒い。スキャン写真整理。ならはCANVASまで歩いて往復。確定申告作業はじめ。

ひきこもって、FBはじめSNSの窓から外をながめている。この地域には秘密が足りない。声を大きくはしないで、ほんの近い人たちをこそこそと集めながら、少しずつ、穴を掘って地下空間を広げていくこと。

ポトフとビビンバ。アラン・ムーア「ネオノミコン」読み。

 

2023/2/14

 

外にでて雨戸をあけると、力が湧いてくるような気がした。ついにからだが回復したかもしれない。コーヒーをいれて、新鮮なきもちで身のまわりの整理に着手。フィルムが届いたのでスキャン作業しながらラブクラフトとマーク・フィッシャーをノートにメモ書き。特にH・G・ウェルズの「白壁の緑の扉」のところ。ギター弾き。天神岬に忘れたカメラをピックアップ。買い出し。ニコ「Desertshore」流して、引きつづき本の書き写し。BlackHoleのアラン・ムーア「ネオノミコン」特集。

 

2023/2/13

東京。お世話になった河津先生の退任のあつまりと同窓会をかねて、かつて働いていた武蔵野大学へ。久しぶりの顔、喋り足りない。うまい焼き鳥、夜まで飲む。日をまたいで実家に帰ると、父はベッドに横になれず、椅子に座ったまま苦しそうにしている。翌朝、日赤の急患に連れていく。待合で父はコンビニのおにぎりをうまいといって食べる。いくつも検査を重ね、何度も医者が扉からでてきた。待合でうとうとしてると、とうとう入院がきまった。病棟を上がる父を見送って帰る、翌朝、帰福。バスの中でラブクラフトとマーク・フィッシャーを交互に読んでいると、ついにやる気がでてきた。

 

2023/2/9

朝から家そうじ、たまごを焼いて、具材はそろった。堺くんが先にきて、キンパを巻くところを写真に撮ってくれた。台所のまどの光がやわらかくて、キンパの具材の色をあざやかに引き立てた。あとからみんながきてキンパを切って、並べて食べた。それから部屋をうつしてみんなでギターを弾いたりおしゃべり、ウサミは奥の部屋で打ち合わせした。酒を飲まないで、暗くなるまでダラダラした。部屋が本来の役割を思い出したみたいに、いきいきしていると思った。こういうことがずっとしたかった。

 

 

2023/2/8

テキストかけない旨を連絡。編集の人と電話していいわけを述べ続ける、コロナもあったし移住もあった、歳もとった。歩き方も変わる。歩いていないが、歩いているように生きることはできる。夕方から酒飲んでキンパづくりの準備、タクワン炒めたり、キムチ鍋。マーク・フィッシャー「奇妙なものとぞっとするもの」読み始めて、近づかないでいたラブクラフトを注文。

 

2023/2/7

家でFCT仕事、テキスト書き。ならはCANVASに移動して別のテキスト書き。ギリギリまでねばってあきらめる。やっぱりだめだった。CANVASの席から立ち上がり、2階の吹き抜けのてすりに身体をあずけ、1階の床にダウンライトが作る影を、呆然とみつめる。夜はkashiwayaにてウサミの誕生日のお祝い。みんながいればやっていける。

 

 

2023/2/6

引き続きテキスト書き。柄にもないことを書いた。よくないかも。

身の回りの近くのものだけが語りかけてくるわけではなく、ときに遠くのものが、ぐるっと大きな弧を描くことで、いまの自分を取りまく環境を理解させてくれることが、ひんぱんにある。安東さんの新刊、ハンフォードしかり、今夜みている、スパイクリーの映画だったり、いっけん無意味にしか思えない、荒唐無稽なフィクションだったりする。

 

 

 

2023/2/5

​日曜の朝。テレビすぐ消す。なにもしたくない、ひきこもって、役にたたない練習。トレイル仕事の反動がどっと押し寄せてきている。反動が大きすぎて、片側にひきよせられたまま、元に戻る兆しがみえない。テキスト書き、うまくいかない。早々にあきらめて家で掃除と料理。ねずみの罠をのぞくのが怖い。糞の掃除。なぜかパラニュークの新作「インヴェンション・オブ・サウンド」読みながら、ポテトサラダとカレーつくる。アマプラで眠れぬ夜のゴダール「イメージの本」。

 

 

2023/2/4

 

​XGとかテヨン×ジミンとかジョン・ケイルの新アルバムとかもろもろ巡回。家主の長岡さんにご挨拶と補修工事の御礼。歩いてCANVASに向かうも体調悪い。テキストうだうだ書けない。頭の中では組みあがってる感覚があるからあとは書くだけ。父が新しいかけ布団を送ってくれたのでお礼の電話、終活をはじめるという。キンパの材料買ってきた。こないだkashiwayaでキンパ屋やる夢を思い出させてもらった。

 

 

 

 

2023/2/2

午前、家の補修工事など立ち合い。ネズミの穴が塞がった。領収書、請求書。終わって外へ。久しぶりに富岡の図書館へ。ようやくこの静かな場所に来ることができた。文芸誌を数冊とって窓際の席へ。パノラマの一面の窓にふちどられた、冬枯れの広葉樹が並ぶ風景。カウンターにいったら返していない本があるという、日付は9月、思えばその頃から忙しくなった。ならはCANVASに移動してテキスト書き。カレー作って、夜はFCT打ち合わせ。

 

 

2023/1/31

ようやく日常復帰、車を運転。久しぶりの外の世界におどおどしている。あたまはふわふわ。買っておいて全然読んでなかったし、これからもほとんど読まないだろうユリイカのゴダール追悼号パラパラしてたら「フォーエバーモーツァルト」の澄んだ映像が浮かんできて、一瞬水面から反射した光が脳内に差し込んでくるみたいな瞬間があり、病み上がりの勢いもあってBlue-rayを購入。

 

 

 

2023/1/30

父がおまえもマスクしたほうがいいと言ったのはもう帰る日の朝だったので、すでに手遅れ。数日後にのどに違和感があり、油断したと舌打ちをしているとやがて発熱、3日間まるごと寝込んだ。さつまいものお粥をつくって食べるのが限界。皿はまともに洗えず、ゴミがテーブルの上に散乱。映画も本も受け付けず、唯一、志ん朝の落語だけが効き目あり。ようやく立ち上がると、新しい身体に入れかわったような気がして、すがすがしい気持ち。立春まであとすこし。

 

 

 

2023/1/26

父は少し熱が下がってきたという、状況を兄に報告して福島帰り。PIZZICATE ONE流す。冬になると一連のアルバムを必ずきくようになる。冬しかきかない。とても悲しいうた。​世の中はまともなふりをしているだけなので、悲しいこの音楽が、部屋の空気の均衡を保ってくれるようなきがする。ぱかっと開いた傷口がゆっくりとふさがるような気持ちになる。もはや狂気でもって正気を保つのだ、というのはBTSのONの歌詞だった。

 

 

 

 

2023/1/25

大友さんのジャズラジオ、MJQ特集。PIZZICATE ONEのライブアルバムで小西さんがMJQのライブについて語っていたMCを思い出す、音の小さい葬式のようなとても静かなライブだったのだが、近づいてよくみるとメンバーがみんな汗だくになって、実はすごい熱狂していることがわかった、という話。こういう表現のかたち。派手にたたみかけるのではなく、抑制に力をそそぎ、時間をかけてじっくり芯まで熱をとおしていく。あるいは低温やけど。自分の写真も、歩くこともこちらがわの、文学も、本の中でひんやりと音のない叫び。

父は夕方以降また発熱、病院に連れて行って薬もらってくる。

 

 

 

 

2023/1/23

休みなく、シンポジウムおわって、翌日はまゆこさん、楢葉を案内、見送ると呆然としてなにもできなくなって、床に横たわりストーブの風を受けるが、重い腰をあげて東京へ。日本橋で写真集打合せ。翌日、菊川の映画館strangerへやっとこれた。ドン・シーゲル特集2本みる、ラーメン早食いで劇場にかけこむ。おわっておさむくんと喫茶店で話。みな40代、ますます暗い霧の中を進んでいる。最強寒波の風が吹いてきた、実家へ。父は映画をみはじめてもすぐに寝てしまう。熱があるらしく測ると38度5分、解熱剤がないので自分がドラッグストアに買いに行く。寒波を東京でやりすごすことに決める。

 

 

2023/1/5

正月、川崎の実家、姪とメールアドレス交換。後藤くんと川崎競馬場詣で。後藤くんが買った馬はラスト鼻差の写真判定で負け。頭をかかえつつ、それでもいいレースがみれたと競馬場をあとにする。翌日は吉祥寺の女子会に潜入。父とはテレビで流れてきた「ドライブマイカー」再見。テキストがそれを発語する人間の内面を表に引きずりだしてしまう。チェーホフのテキストはおそろしい、と家福はいった。演技ってますますよくわからない。自分は高槻が気になる。

父に交通費渡された。帰福。

 

 

 

 

2023/1/2

大晦日、富岡のななみちゃんの家で 若者にかこまれて焚き火会に参加。紅白をラジオでききながらホイル焼きをみんなで味わう。加山雄三や桑田はよかったが、団塊ジュニア以降の人口の多さを伺わせる内容、いつまでも沈みゆく昭和の残照を見送り続けている。初日の出を海でみて、天神岬のお風呂。北田天満宮で初詣。家帰って寝る。なぜか配信で「リコリスピザ」。鍋つくって食う。去年はどうだったと振り返ってみることもなく、新年だからなんだということもなし。

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